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「モチベーションが続かない…」を克服する方法〜スポーツ選手がやる気を維持するための科学的アプローチ〜

更新日:3月5日


モチベーション

「モチベーションが続かない」

「すぐに気持ちが切れてしまう」


こうした悩みを抱える選手は少なくありません。


練習を始める前はやる気に満ちているのに、時間が経つとダラダラしてしまったり、ちょっとした失敗で気持ちが折れてしまったり。


「自分は意思が弱いからすぐに怠けてしまう」とネガティブに考えてしまうこともあるでしょう。


また、監督やコーチから指導を受けた直後はモチベーションが上がるものの、数日後にはその気持ちを忘れてしまい、結局いつも通りになってしまう……。


しかし、モチベーションが続かないのは決してあなたの意志が弱いからではありません。


本記事では、スポーツメンタルコーチングの考え方を取り入れることで、モチベーションの仕組みを理解し、継続的に高いパフォーマンスを発揮する方法を取り上げます。


結論

内発的動機を持ち主体的に動く事、また人間の本能「変わりたくない、現状を維持したい」を理解し、現状を維持しない工夫を行う事が(小さな一歩を設定&実施、現状が続いた未来をイメージ)重要です。


モチベーションについて正しく知る

モチベーションとは、日本語では「動機」と訳されます。動機には大きく分けて2種類があります。


内発的動機:自分の内側から湧き出る欲求。「楽しい」「好き」「上達したい」など、純粋な興味や好奇心から生まれるものです。

外発的動機:外部からの刺激によって生じる欲求。「勝たなければならない」「評価されたい」「報酬がほしい」といった、外部要因によるものです。


外発的動機は即効性がありますが、長続きしにくい特徴があります。一方で、内発的動機は自分の内側から湧き出る純粋な感情なので、持続しやすいです。


あなたのモチベーションは、どちらが強く働いているでしょうか?


トップアスリートは結果が求められるため、内発的動機だけでは競技を続けるのが難しくなります。

しかし、外発的動機だけでプレーしていると、いつか限界がきてしまいます。


「勝たなければならない」

「結果を残さなければならない」


この気持ちばかりが強くなると競技が楽しくなくなり、スランプに陥ったり、調子を崩してしまいます。最悪の場合、ネガティブな気持ちを抱えた状態が続いてしまい引退という選択をしてしまうことも。


だからこそ、バランスが重要です。綺麗事ばかりではない勝負の世界だからこそ、いかに内発的動機を持ち続けられるかがカギとなります。


与えられたモチベーションになっていないか?

あなたが目標に向かって進んでいる理由は、本当に自分の意志からきていますか?


自分で設定した目標に向かって努力しているのか?

監督やコーチに言われたから、なんとなくやっているのか?


人は自分が心から納得した目標に対しては主体的に行動できます。しかし、誰かに与えられた目標は、自分の意志ではないため、長続きしにくいのです。


まずは、自分が本当に達成したい目標を明確にし、そこへ向かって行動できているかを確認してみましょう。


人間の本能を理解する

人間には、生まれながらに持っている本能があります。

それが「変わりたくない、現状を維持したい」というものです。

現状から抜け出せない仕組み
現状から抜け出せない仕組み

現在の自分の状態が最も心地よく、これを心理学ではコンフォートゾーンと呼びます。


理想の目標を掲げると、必ず現状(コンフォートゾーン)とのギャップが生まれます。

すると、脳は無意識のうちに、現状を維持しようとする力を働かせます。


これは人間にとって生命維持に必要な生理的な機能を正常に保とうとするもので、これをホメオスタシス(恒常性維持)といいます。わかりやすい例で言えば、人間の体温があります。


人間の体温は36度〜37度で調節されます。起床時の低温から始まり、食事後や日中体を動かしたときは上昇しますが、概ね1℃以内の変動です。


例えば、80℃のサウナに入ったからと言って、体温が80度になるわけではありません。

汗をかくことで体温を下げ36度〜37度を保とうとする訳です。


さらに、この「汗をかく」ことは自分の意思とは関係なく、生命を維持するために脳が勝手に指令を出して汗を出しています。


これと同じことメンタルでも起こっているのです。

理想の目標に対して行動すべき事があっても、

「調子が悪いから」

「今日は疲れているから」

と現状を維持したくなってしまうのです。


このように、やらない・できない理由を作り出してしまうことがあります。

これは専門用語でクリエイティブアボイダンス(創造的回避)と呼ばれる現象です。


これらは、意思の弱さや覚悟の足りなさとは関係なく、人間の本能です。


「三日坊主で終わってしまった…」と落ち込むことがあるかもしれませんが、それは決して意志が弱いからではなく、誰にでも起こりうる自然な反応なのです。


モチベーションを維持する方法

では、モチベーションを維持するために、具体的に何をすればよいのでしょうか?


1. 小さな一歩を設定して継続する

目標を達成するために急激に行動を変えようとすると、現状維持の力が強く働き、逆に挫折しやすくなります。


まずは、毎日継続できるくらいハードルを下げた目標を設定し、それを習慣化することが大切です。


例えば、「毎日1時間練習する」ではなく、「毎日5分だけでもボールに触る」といった小さな目標から始めると、継続しやすくなります。習慣が身についてきたら、少しずつレベルを上げていきましょう。


2. 現状維持した未来の痛みを意識する

「このまま変わらなかったら、自分はどうなるのか?」を考えてみましょう。


獲得したい未来や目標が無ければ、現状維持の未来も悪くありません。

恐らくこのブログを見ている方は、何か叶えたい目標を持っているはずです。


人は現状のままで満足していると、なかなか行動を起こしません。

しかし、今のままでは理想の未来を手に入れられないと強く意識すると、行動に移しやすくなります。


「このままではレギュラーを取れない」

「今のままではプロにはなれない」

といった現状の延長線上の未来をイメージし痛みを受け取ることも、行動を変える原動力になります。


まとめ:メンタルコーチングで継続できる仕組みを作る

モチベーションが続かないのは、意思が弱いからではなく、人間の本能が働いているからです。


この本能とうまく付き合いながら、

  • 小さな一歩を積み重ねること

  • 理想の未来と現状のギャップを意識すること

が、モチベーションを維持するカギとなります。


とはいえ、一人でモチベーションを保ち続けるのは難しいものです。


そんなときこそ、スポーツメンタルコーチがサポートできます。

あなたが理想の未来を手に入れるために、継続できる仕組みを一緒に作っていきましょう。



 
 

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